【保存版】CXOレターはメリットだらけ?書き方・例文とデメリットを紹介
平井康之

監修エクネス株式会社 代表取締役 平井康之

1000社以上が利用する手書き代筆サービス「ロボットレター」運営責任者
マーケティングイベントへの登壇を通じ、CXOレターを活用した新規開拓戦略や最新の成功事例を発信

登壇実績・会社概要はこちら

  • フォーム営業のメールは、決裁者に届く前に止まってしまう……
  • テレアポは受付で断られるばかりで、さすがに嫌になってきた!
  • 担当者につながっても、稟議が上がりきらないまま話が進まない。

BtoBの新規開拓で、こうした壁にぶつかっていませんか?
うまくいかないのは、やり方が甘いせいとは限りません。メールやフォーム、電話などでは、決裁者との接点をつくるまでに時間がかかるケースもあります。

そこで、決裁者や部門責任者など、企業の意思決定に関わる人物へ手紙でアプローチする「CXOレター」が注目されています。

ただし、手紙を送れば必ず反応があるわけではありません。
先に結論をお伝えすると、CXOレターで特に重要なのは、「誰に送るか」と「その相手にしか書けない内容になっているか」の2点です。

詳しくは本記事にて、CXOレターの送付先の選び方から、書き方、例文、フォロー方法までまとめています。いずれも、累計800万通以上の代筆・発送と、1,000社以上の手紙営業支援で得た知見にもとづくものです(2026年9月時点、弊社実績)。

読み終えるころには、決裁者にアプローチできる手紙の条件と、自社で取り組むべきか外注すべきかの判断基準が分かります。
それでは、まずはCXOレターとは何か、ほかの営業手法と何が違うのかから見ていきましょう。

決裁者の心に響く「手紙営業」を徹底解説|超有料級ホワイトペーパー無料プレゼント|アポ獲得率最大20倍の事例アリ

CXOレターとは|ほかの営業手法との違い

「CXO」の意味と送付先になる役職

「CXOレター」とは、企業の決裁者や部門責任者など、意思決定に関わる人物に宛てて送る手紙のことです。主に新規開拓のため、ときに既存顧客との関係維持を目的として送付します。もしくは、その手紙を活用した営業施策を指す場合もあります。

営業施策を指すケースでは「手紙営業」と呼ばれることも多いでしょう。役員層を宛先にすることから「エグゼクティブレター」と呼ばれる場合もありますが、指しているものはほぼ同じです。

「CXO」は「Chief X Officer」の略です。
「Chief」は組織の責任者を、
「X」は業務や機能を、
「Officer」は執行役を表します。
つまり「CXO」は、それぞれの業務や機能における組織の責任者を指します。

「X」に当てはめる業務や機能によって、経営全体を統括する「CEO(最高経営責任者)」、財務を統括する「CFO(最高財務責任者)」、業務執行を統括する「COO(最高執行責任者)」、技術部門を統括する「CTO(最高技術責任者)」などの役職を表せます。

ただし、実際の送付先はこうしたCXO職に限りません。本記事では、取締役・事業部長・領域別の管轄責任者なども含め、決裁権を持つ人物や自社の商材に関わる領域を管轄している人物に宛てた手紙を、広くCXOレターとして扱います。

また、CXOは役職の区分であり、案件ごとの決裁者と必ずしも一致するわけではありません。誰が決裁するかは、金額や案件の種類、社内の権限規程によって変わります。送付先を選ぶ際は、役職名だけでなく、自社の商材に関わる領域をその人物が管轄しているかまで確認してください。

ほかの営業手法との違い|決裁者を指定して送れるのはどれか

CXOレターとほかの営業手法との大きな違いの一つは、決裁者を名指しで指定して直接送付できるかどうかです。このほか、コストや工数、連絡が届くまでの早さ、反応を計測できるかどうかにも違いがあります。

同じ郵送物でも、DM(ダイレクトメール)とは使われ方が異なります。印刷DMでも宛名や内容を個別に変えることはできますが、CXOレターでは相手ごとに内容を個別化するケースが多く、1通あたりにかける手間の置き方が変わります。

主な手法について、向いている場面と制約を整理すると次のとおりです。

営業手法 向いている場面 制約
CXOレター
(手紙DM)
重要度の高い企業を絞り込み、役員・部門責任者を名指しで指定して送りたいとき。代表電話や問い合わせフォームを経由しない 1通あたりの手間とコストが大きく、大量送付には向かない。開封や閲読そのものを直接計測することは難しい
紹介・リファラル つてのある企業。紹介者が決裁者につなげば最短 つてのある相手に限られる。狙った企業に紹介経路があるとは限らず、件数を計画できない
ビジネスSNS 発信のある役職者に、組織を経由せず個人として接触したいとき 発信のある人に限られ、業種による偏りが大きい。つながり申請が承認されなければ始まらない
メール営業 低コストで一斉配信でき、開封率・クリック率で反応を計測できる 受信数の多い相手では、受信トレイやフィルタで埋もれやすい
フォーム営業 電話番号やメールアドレスが分からない企業にも接触でき、窓口には届く 1件ずつ入力する手間がかかる。窓口に届いた内容が決裁者へ共有されるかどうかは、相手企業の運用によって変わる
電話営業
(テレアポ)
その場で反応が分かり、会話のなかで課題を聞き出せる 代表電話からの指名では、取り次ぎの可否が相手企業の方針や状況に左右される
オンライン広告
(LinkedIn・Facebookなど)
役職レベル・勤務先・業界でオーディエンスを指定し、決裁者層に広く認知を取りたいとき 指定できるのはセグメントまでで、特定の個人を宛先にはできない。出稿を止めると接点も止まる
印刷DM 同じ内容を数千社規模へ一斉に送れる。1通あたりの単価が最も安い 1社ごとに内容を変えることはできるが、通数が増えるほど制作の手間とコストがかかる。料金別納などの表示がある場合、一斉送付の郵便物として扱われることがある

※各手法の一般的な特徴を編集部で整理したものです。向き不向きは、商材・ターゲット企業の規模・社内の体制によって変わります。広告のターゲティング仕様は2026年9月時点のものです。

決裁者本人につながるという点では、紹介・リファラルのほうが最短です。紹介者が決裁者につないでくれるなら、それに勝る手段はありません。ただし、つてのある相手に限られ、狙った企業に紹介経路があるとは限らないため、件数を計画できないという弱みがあります。

広告で決裁者層を狙う場合も、指定できるのはセグメントまでです。特定の個人を宛先にすることはできません。

CXOレターの出番は、紹介のつてがなく、広告では個人まで絞り込めない相手が残ったときです。

もう一つの違いは、相手の時間をこちらの都合で拘束しない点です。電話のようにその場での対応を求めないため、相手が時間のあるときに目を通せます。重要度の高い企業に対して、ほかの接点と重なりにくい形で連絡を届けられる手段といえます。

非対面の働き方が定着し、営業の接点がデジタルに寄った

コロナ禍をきっかけに広がった非対面の働き方は、その後も定着しました。テレワークを導入している企業は令和6年度時点で47.3%にのぼります(出典:総務省 令和7年版 情報通信白書)。このデータから確認できるのは、出社を前提としない働き方が一定の割合で続いているという事実です。

ここから先は、弊社が営業支援の現場で得ている見方です。メールやフォーム、オンライン広告は導入のハードルが低いため、営業の接点として使われやすい手段です。一方で郵送物を使う企業は相対的に少なく、ほかの接点と重なりにくい手段になっています。また、相手が出社していなければ、電話や訪問はその時点では届きません。

手書きのCXOレターは、直接会わなくても書き手が手をかけたことが形として残ります。

出社の頻度によっては届くまでに間が空きますが、それは電話営業でも同じです。郵送物は出社時にまとめて確認されることが多いため、時間差があっても手元に残ります。デジタルの接点だけでは決裁者につながらないというご相談は、弊社にも多く寄せられています。

決裁者を指定して送付できるメリットと効果

担当者から課長・部長・役員へ説明と社内調整を重ねる営業と、CXOレターで最初から決裁者と課題を共有する営業の比較図。段階を経るごとに説明と調整が必要になることを示す

営業施策の一つとしてCXOレターを導入することには、どのようなメリット効果があるのでしょうか。

考えられるメリットをみていきましょう。

人脈がなくても決裁者を指定して直接送付できる

関係性のない企業でも、決裁権を持つ人物を宛先に指定して直接送付できる点が、CXOレターの特徴です。紹介者も面識も必要ありません。ただし、送付できることと、本人の手元に届いて読まれることは別です。CXOレターは後者まで保証する手段ではありません。

違いが出るのは、社内で合意を形成する順番です。担当者から入る場合、課長、部長、役員と段階を踏んで合意を形成していくことになり、そのたびに説明と社内調整が必要になります。期間が長引けば、担当者の異動や優先順位の変更で検討が止まることもあります。

最初から決裁権を持つ人物と課題を共有できれば、この工程を短縮できる場合があります。商品の購入や契約に関する決定権者の反応を、早い段階で直接確認できる点もメリットです。

ただし、上から入るのが常に有利とは限りません。エンタープライズ領域では、決裁者のほかに現場責任者、利用部門、情報システム、法務、購買など複数の関係者が関わります。現場で課題を感じている担当者が社内で推進役になることで進む案件もあるため、どこから入るべきかは商材・企業規模・組織構造によって変わります。

よい商品を企画・販売していても、認知してもらえなければ購入や契約には至りません。顔見知りでもなく仲介者がいるわけでもない企業の決裁者を、宛先として指定できる。数少ない手段のひとつが手紙営業です。

手間が伝わり、印象に残りやすい

決裁者に自社の存在を知ってもらえるとともに、よい印象を与えられる可能性が高まる点も、CXOレターの重要な効果です。

手書きの手紙は作成に一定の手間がかかるため、その点が視覚的に伝わりやすい形式です。

丁寧かつ適切な手紙が作成できれば、「熱意が感じられる」「自社のことを理解している」といった印象につながります。

既存顧客のフォローにも活用できる

新規開拓だけではなく、既存の顧客やすでに面談済みの顧客に対してもCXOレターは活用できます。

感謝の気持ちや新たな商品の紹介を、手紙という媒体で適切なタイミングに送ることは、次回の商談につながるきっかけの一つになります。

とくに継続性が重要なサービスや、アップセル・クロスセルが見込める商品を提供している企業は、既存顧客にもCXOレターを送る価値があります。

数字の面でも既存顧客のほうが有利です。面識のない新規リストへの送付より、過去に取引のあった顧客へのフォローのほうがアポ獲得率は高くなります。

アポ獲得率の目安|新規・既存・展示会フォローの違い

CXOレターのアポ獲得率は、「誰に・どんな関係性で送るか」で大きく変わります。弊社が支援した事例では、面識のない企業への新規開拓で約1〜2%が目安です。

送付するシーン アポ獲得率の目安
新規リスト(面識のない企業への新規開拓) 約1〜2%
過去にお取引のあった顧客へのフォロー 約4〜5%
展示会来場者へのフォロー 約6〜7%

※弊社が支援した事例をもとにした目安で、手紙営業全般の統計ではありません。本記事では、相談や面談のアポイントに至った割合をアポ獲得率としています。送付先や時期、商材によって結果は変わります。

条件がそろえば1〜2%を上回ります。弊社のYouTube「手紙営業チャンネル」で解説している導入事例では、生成AI活用サービスの案内を取締役層へ800通送付して12件の相談につながり(1.5%)、経理システムの案内を経理部門へ300通送付した事例では15件の相談を獲得しました(5.0%)。商材も送付先の階層も異なるため2件を比べることはできませんが、後者は個人名が分からず、部署名を正確に調べて送ったケースです。

4件の事例の内訳は、【成功事例】手書き手紙の営業事例を4つ公開!で解説しています。

エンタープライズ開拓での進め方は、商談化率2.8倍を実現したエンタープライズ開拓の事例もあわせてご覧ください。

デメリットと注意点|工数・日数・反応の見えにくさ

CXOレターにはここまで見てきたメリットがある一方で、デメリットにも目を向けておく必要があります。

デメリットを把握したうえでメリットや効果を最大化できるよう、手紙を上手に活用した営業活動を行いましょう。

手間や工数がかかる

印刷DMやメールと比較すると、CXOレターは作成に手間と工数がかかります。文面を相手に合わせて書き込むほど、時間もかかります。

営業施策として取り入れるなら、まとまったリソースを割く前提で計画してください。片手間で続けられる施策ではありません。

実際の負荷は、文字を書く時間よりも事前のリサーチに偏ります。相手企業の決算資料や中期経営計画に目を通し、送るべき人物とその管轄領域を特定していく作業には時間がかかります。

上場企業に義務付けられているIR情報がホームページ上で公開されていることがほとんどなので、最新のIR情報(有価証券報告書、決算資料、半期決算、四半期決算、月次業績速報等)も読み込んでお手紙の文章を作成すれば、CXOレターの反応率アップも期待できます。

この工数をどこまで自社で負担するかが、CXOレターを続けられるかどうかを左右します。

届くまでに時間を要する

メールなら送信した次の瞬間に届き、電話もすぐに繋いでもらえる可能性があります。CXOレターは、それらと比較すると届くまでに時間を要してしまう点がデメリットの一つです。

郵便ポストに投函してから実際に読んでもらうまでには、数日から数週間の幅があります。2021年10月からは、普通扱いとする郵便物について土曜日の配達が休止され、お届け日数も繰り下げられています(出典:日本郵便)。実際の日数は差出元とあて先で変わるため、日本郵便の検索で確認しておくと確実です。

役員宛ての場合は、社内で取り次ぎを経てから本人の手元に届くため、その分の日数が上乗せされます。

代行サービスを利用する場合は、投函までの制作リードタイムも別に発生します。弊社の場合、原稿とリストをお渡しいただいてから発送まで最短5営業日です(2026年9月時点、弊社実績)。その点も考慮して、営業戦略を練ることが重要です。

開封率などの数値を直接計測しにくい

メール配信と違い、手紙には開封ログが残りません。届いたのか、開封されたのか、どこまで読まれたのかを直接数値で追えない点が、CXOレターの弱点です。

電話営業や飛び込み営業であれば、その場の反応を見て話し方を変えられます。メールなら開封率やクリック率が取れるため、件名や本文の改善点も特定できます。CXOレターでも、手紙に専用URLやQRコードを記載しておけば、そこを経由した問い合わせは計測できますが、メールのように開封・閲読そのものを直接計測することは難しく、手元に残るのは送付数とフォローコールで得た反応が中心になります。

そのため、改善の手がかりは送付先の分け方に置くことになります。役職・企業規模・業種などでリストを分けて送り、フォローコール後の結果を比べれば、文面の巧拙を測れなくても「どの層に効くか」は見えてきます。

裏を返せば、まとまった通数を送れないと比較の精度は上がりません。母数が少ないほど結果のばらつきは大きくなるため、検証を前提にするなら通数を確保できる方法を選ぶ必要があります。

CXOレターが向いている企業の3条件

自社に向いているかどうかは、ターゲット企業の数・商材の単価・競合の状況の3つで判定できます。

ターゲット企業が少ない

1つ目は、狙うべき企業の数です。CXOレターは量産が難しく、印刷DMのように同時に数千社へアプローチできる施策ではありません。

まずは、自社のターゲットリストの母数を数えてください。数千社規模の市場を相手にするなら、手紙は主力ではなく、重要度の高い企業に絞った補助的な手段として使うほうが合理的です。

商品ごとにターゲット企業が異なる場合は、母数を商品単位で数え直してください。全社では数千社でも、特定の商品に限れば数百社に収まるケースがあります。その商品にだけ手紙営業を取り入れる形が現実的です。

なお、同一の文面を大量に送付するほど、相手ごとに内容を個別化することは難しくなります。CXOレターの前提である「1社ごとに内容を寄せる」という進め方が崩れるため、母数が大きい場合は送付先を絞り込む判断が必要です。

取扱商品の規模や価格が大きい

2つ目は、1社あたりに手間とコストをかけて回収できるかどうかです。

100社に送ったときで考えると早く判断できます。送付コストは1通330円〜1,000円なので100社で3万〜10万円(後述の代行サービスの費用相場を参照。2026年9月時点)。そこから見込めるアポは、前述の弊社事例での目安である1〜2%で計算すると1〜2件です。ここから商談化率と受注率を掛けたものが、受注の見込みになります。

判断にあたっては、送付費だけでなく、リサーチにかかる工数、フォローコールの工数、商談化率、受注率、粗利、LTVまで含めて見てください。受注単価が大きい商材ほど1社あたりに手間をかける余地は出ますが、単価だけで成立・不成立が決まるわけではありません。一部署の一担当者が決められる規模の商材では、決裁が現場で完結するため、決裁者に送付すること自体の価値が出にくくなります。

1つの成約が売上や利益に大きく影響する商材ほど、1社あたりに手間をかける価値が出ます。契約が長く続いて取引が積み上がる商材も同様です。

業種でいえば、弊社ではM&A、人材、IT・SaaS、行政、製造業、銀行や証券などの金融業界での活用実績があります。いずれも一件の取引規模が大きく、決裁者の判断が結果を左右する分野です。

競合が多く、差別化しにくい

3つ目は、競合が同じ手段を使っていないかどうかです。手紙は、メールや電話とは異なる接点をつくれる手段です。競合が同じ手段を使っていない領域であれば、連絡が重なりにくくなります。

手間がかかることも、この条件では強みになります。1社ずつリサーチして書く必要があるということは、競合他社も同じだけの労力を払わなければ真似できないということだからです。

確認しておきたいのは、自社の業界で手紙営業がすでに一般的になっていないかどうかです。たとえばM&A仲介の領域では、代表取締役宛の手書きの手紙が広く使われています。心当たりがあれば、手紙という手段そのものでは差がつきにくくなります。送付先を役員・部門責任者に広げる判断が必要で、進め方は後述の手順2:送る相手を1人に絞るで解説します。

導入の手順|リスト作成から送付・フォローコールまで

大まかな流れを知りそれぞれの工程を分割することで、各担当者に割り振りながら効率のよいCXOレターの作成や戦略構築が行えます。

手順1:送付先企業をリストアップする

最初に、CXOレターの送付先企業をリストアップします。ここで見るべきなのは、その企業を獲得できた場合に自社が見込める売上・粗利・LTV(顧客生涯価値)です。相手企業の公開情報から、事業規模や導入見込みの範囲を推定していきましょう。

重要なのは、実際にアプローチを仕掛けることで購入や契約まで結びつけられるかという点です。自社商品との相性や、すでに購入・契約している企業の特色を洗い出し、アプローチする価値のある企業を選別します。

自社商品と同様の他社商品をすでに導入している企業であれば、競合他社からシェアを奪えるかも慎重に検討します。相手先企業に何かしらのメリットがなければ乗り換えの決断はしてもらえないため、他社商品の価格面や性能面、サポート面も同時に情報収集してください。

リストを作るときに差がつくのは、情報の細かさです。宛先の部署名を「経理部」とまとめてしまうか、その企業が実際に使っている「財務グループ」「総務財務課」といった正確な名称まで調べるか。この一手間があると、個別に調べて送付していることが伝わりやすくなります。

リストの作り方そのものは、質の高い営業リストの作り方で詳しく解説しています。

手順2:送る相手を1人に絞る

CXOレターの送付先を選ぶ組織図。代表取締役と、取締役・事業部長・人事責任者・マーケティング部長・領域別の管轄責任者を示し、自社の商材に関わる領域を管轄している責任者を候補として検討する考え方を説明

送るべきなのは、いちばん役職が高い人とは限りません。代表取締役だけに絞らず、自社の商材に関わる領域を管轄している責任者も候補として検討してください。

なぜ役職の高さで選んではいけないのか。その理由と狙うべき相手の見極め方を、弊社のYouTube「手紙営業チャンネル」で解説しています。

送付先は、あくまで個人です。大企業になるほど各部署の責任者へ権限が移譲されるため、社長や代表へのアプローチが必ずしも効果的とは限りません。とくに代表取締役宛は慎重に判断してください。弊社が営業支援のなかで見ている限り、M&A仲介をはじめとする各社の営業活動により、代表者宛の手書きの手紙は以前より増えています。手紙が届くこと自体では差がつきにくくなっている相手といえます。

手紙送付を代行するサービスの登場や各社の事例が広まったことで、手紙自体は珍しい手段ではなくなりつつあります。効果が出る手紙と出ない手紙の差は、今後さらに広がっていくと考えられます。

そこで狙い目になるのが、次のような層です。

  • 取締役・事業部長クラス
  • 人事責任者・マーケティング部長
  • 領域別の管轄責任者(課長職を含む)

いずれも自社の商材に関わる領域を管轄している可能性がある層で、代表取締役宛に比べて宛先が競合しにくい候補です。なお、実際にその人物がどれだけ営業の手紙を受け取っているかは送付前には分からないため、あくまで候補を広げるための考え方として扱ってください。

氏名は、次の順で調べます。まずは企業が自ら公開している一次情報にあたり、SNSは補助的に確認する流れが確実です。

  1. 公式サイトの会社概要・役員紹介ページ
  2. プレスリリース、有価証券報告書、適時開示(「組織変更および役員の管掌・担当変更に関するお知らせ」「執行役員人事に関するお知らせ」など)
  3. Web記事・登壇情報(ウェビナー、展示会、業界誌のインタビューなど)
  4. LinkedIn、Facebook、X(旧Twitter)、Instagram、TikTokなどのSNS

役員人事や組織変更のお知らせは、誰がどの領域を管掌しているかがそのまま書かれているため、送付先を決める材料として使えます。

SNSは本人が更新するため詳しい情報が載っている一方、更新が止まっていれば役職は古いまま残ります。役職や経歴の確認はLinkedInやFacebookが中心になり、InstagramやTikTokは、その人物が何に関心を向けているかをつかむ材料として使えます。公式情報と食い違う場合は、公式サイトや開示資料の記載を優先してください。

名前を見つけただけでは足りません。自社の商材が解決できる領域(マーケティング、人事、DX推進など)をその人物が管轄しているかどうかまで確認したうえで、所属する部署と役職、氏名をリスト化してください。

それでも特定できない場合は、無理に氏名を探さず、部署名と役職で送ってください。手順1で触れた部署名の正確さが、ここで活きてきます。前述のアポ獲得率の目安で挙げた経理部門への300通・15件(5.0%)は、個人名が分からないまま部署名を調べて送ったケースです。部署名の正確さがこの結果をもたらしたと確認できているわけではありませんが、宛先が曖昧なまま送るよりは、実際の部署名まで調べておくことをおすすめします。

決裁者へのアプローチ全般は、決裁者のアポを取るためのアプローチ方法もあわせてご覧ください。

手順3:文面を作成して送付する

手順2で絞り込んだ相手に向けて、文面を作成します。ここで問われるのは文章の巧さではなく、選んだ相手にどれだけ内容を寄せられるかです。単なる自社商品のアピール文にならないよう、手順1・2で調べた情報をもとに書きます。

書き始める前に、なぜその相手に、なぜ今、なぜ自社が連絡するのかを決めておくと、作成にかかる時間が大きく減ります。文面の組み立て方は次章のCXOレターの書き方、封筒や切手の選び方は反応率を高めるポイントで解説します。

手順4:フォローコールを入れる|受付突破のトークスクリプト

送っただけでは、相手から連絡が来るとは限りません。弊社では、CXOレターを送付したあとに自社からフォローコールを入れることを推奨しています。突然の連絡にならないよう、手紙にもその旨を盛り込んでおきます。

タイミングは、弊社では送付後3営業日程度を目安にしています。3営業日では少し短いと感じるのであれば、1週間後を目安にフォローコールを入れてみましょう。

送付先の人物が、必ずしもCXOレターに目を通しているとは限りません。読んでいるケースと読んでいないケースに分けて、伝える内容をそれぞれ考えておく必要があります。次のトークスクリプトを、自社の商材に合わせて書き換えて使ってください。

場面 伝え方の例
受付・秘書の方に取り次いでもらうとき 「先日、〇〇様宛にお手紙を差し上げた〇〇株式会社の〇〇と申します。お手紙の中で改めてご連絡する旨をお伝えしておりましたので、ご確認いただけているかお伺いできればと存じます」
ご本人につながったとき 手紙を読んでいただけている場合:「お手紙をお読みいただきありがとうございます。〇〇の件で、15分ほどお時間をいただけないでしょうか」
まだの場合:「〇日にお手紙を差し上げております。〇〇についてのご提案で、要点だけ2分ほどでお伝えできればと存じます」

弊社の支援事例では、「手紙を送っている」という事実そのものが受付での説明に役立ったという声をいただいています。弊社をご利用いただいた営業代行会社様からは、一度受付でお断りされた企業でも、あらためて手紙でアプローチすることで受付を通過でき、アポイントにつながるケースが増えたというご報告がありました。単なる営業電話ではなく、すでに書面で連絡済みの用件として伝えられる点が理由と考えています。なお、これは1社の事例であり、受付の通過率が一般的に上がることを示すものではありません。

フォローコール時に手紙を特定してもらいやすくする工夫として、特徴のある色の封筒を使う方法もあります。架電の際に「オレンジ色の封筒でお送りしています」と添えれば、相手が手紙を探しやすくなります。色は、他社では見かけないものほど電話口での説明が短く済みます。

電話・メール・手紙を組み合わせたアポイント獲得の進め方は、電話・メール・手紙DMでのアポ取りのコツで解説しています。

CXOレターの書き方|文面を構成する4つのパート

CXOレターの文面を構成する4つのパート。手紙を送った理由、想定される相手の課題、自社が提供できる価値と導入事例、面談のお願いとフォローコールの予告を、縦長の便箋と番号付きの説明欄で示した図解

まず決めるべき3点|Why You/Why Now/Why Me

形式を整える前に、なぜあなたに(Why You)、なぜ今(Why Now)、なぜ自社が(Why Me)の3点を決めてください。ここが決まっていない手紙は、どれだけ丁寧に書いても読み飛ばされる可能性があります。

Why Youは、その人物でなければならない理由です。相手の管轄領域と、自社が解決できる課題が重なっていることを示します。「御社の」ではなく「〇〇を管掌されている〇〇様の」と書けるかどうかで、伝わり方が変わります。

Why Nowは、送るタイミングの必然性です。ここは想像で書かず、決算発表や中期経営計画、新規事業のプレスリリース、人事異動の発表など、相手企業に実際に起きた事実に紐づけます。

Why Meは、同じ提案ができる会社がほかにもある中で、自社に話を聞く価値がある理由です。

この3点を、次の4つのパートに落とし込んでいきます。

  1. 手紙を送った理由(Why You/Why Now)
  2. 相手が抱えていると想定される課題
  3. 自社が提供できる価値と導入事例(Why Me)
  4. 面談のお願いとフォローコールの予告(クロージング)

なかでも差が出るのが、1文目です。書き出しは、その後を読んでもらううえで重要な部分です。

読み飛ばされやすい書き出し 改善後
「弊社は〇〇のシステムを開発・販売しております。ぜひ一度ご紹介の機会をいただけないでしょうか」 「先日ご発表された〇〇事業への参入について拝読いたしました。立ち上げ期には〇〇に課題が生じやすいと考え、お手紙を差し上げた次第です」

左はどの企業に送っても成立してしまいます。右は相手企業の事実から入っているため、その人物に宛てて書かれた手紙であることが1文目で伝わります。

なお、役員宛に限らない営業手紙全般の書き方は、営業手紙の書き方と例文15選にまとめています。

それでは、4つのパートの中身を順に見ていきましょう。

1. 手紙を送った理由(Why You/Why Now)

1つ目のパートは、なぜこの手紙を送ったのかです。予告なく手紙を送付したことへのお詫びを一言添えたうえで、目的を明確かつ端的に書き記しましょう。

このとき、より具体的に根拠も交えて構成すると、手紙を送付した目的が相手にもダイレクトに伝わりやすくなります。前述のWhy You/Why Nowを、ここで文章に落とし込むイメージです。

自己紹介も、このパートに含めます。企業名と氏名をフルネームで記載し、氏名の前に担当部署を書き加えても構いません。自身が何者であるのかを、まずは明確にしておくことが重要です。

2. 想定される相手の課題

2つ目は、相手が抱えていると想定される課題です。CXOレターでは短い文面で何かしらのメリットがあることを相手企業に伝えなければいけないため、その前提となる課題の提示が要になります。

ここは想像で書かず、決算発表や中期経営計画、プレスリリースなど公開されている事実に紐づけてください。「力になりたい」「役に立つはずだ」という姿勢は、相手の状況に即して書けて初めて伝わります。

3. 自社が提供できる価値と導入事例(Why Me)

3つ目は、自社が提供できる価値です。簡単に商品の紹介や説明を盛り込んでおくと、手紙を送付した目的「力になれる」「役に立つ」などの文言に説得力が生まれます。

必要に応じて、事業内容やこれまでの実績、得意分野といった自社の特徴も添えてください。何も記載しない状態と比べると、信用度を上げる効果が期待できます。

ただし、商品の羅列や具体的な価格までは触れないでおきましょう。文章が長くなるほど、最後まで目を通してもらうのは難しくなります。

紙面が限られるため、詳細な機能や価格は面談時に説明し、手紙では要点に絞ります。手紙の役割は、面談の場で詳しく話す価値があると判断してもらうことです。

「具体的な話を聞きたい」「必要か否かの判断には、さらなる情報が必要だ」と思ってもらうことが、送付側にとってのCXOレターの目的です。「新商品を開発した」「すでに多くの企業に導入されている」「業務効率や売上アップの実績データも出ている」などの紹介にとどめ、詳細は面談時にご説明する旨を添えておく形が現実的です。

抽象的な強みより、導入事例を添えるほうが伝わります。数多く並べる必要はありません。紙面が限られているため、相手企業との関連性が高い事例に絞ったほうが要点を伝えやすくなります。相手企業と従業員規模や業界が近いものを選び、どんな状態からどう変わったかを簡潔に書きます。

4. 面談のお願いとフォローコールの予告(クロージング)

4つ目は、クロージングです。CXOレターは面談のきっかけにすぎないため、必ず手紙の中に面談等のお願いについても触れておきましょう。

具体的な面談の日時について記載する必要はありません。あくまでも「一度、話を聞いてもらいたい」といった趣旨を記載するにとどめておきます。

あわせて、フォローコールの予告も盛り込みます。フォローコールを予定している場合は、あらかじめその旨を記載しておくと、突然の連絡になりにくくなります。日時まで具体的に書いておくのがおすすめです。

最後は、感謝の言葉などを添えて本文を締めます。締めの言葉に関しても汎用性が高いため、定型文として複数の文言を用意しておくとよいでしょう。

頭語・時候の挨拶・結語の形式マナー

ここまでの4つのパートが決まったら、最後に形式を整えます。形式は定型文として使い回せるため、一度そろえておけば次回以降の作成時間を短縮できます。

手紙の冒頭に置く「頭語」と、末尾に置く「結語」はセットで使います。頭語を選んだら、対応する結語を間違えないように記載しましょう。

丁寧さの度合い 頭語 対応する結語
一般的なビジネス文書 拝啓・拝呈・啓上 敬具・敬白・拝具
より丁寧にしたいとき 謹啓・謹呈・恭啓 謹言・謹白・頓首
CXOレターには使わない 前略(親しい相手向け) 草々

CXOレターは「拝啓・敬具」で問題ありません。送付先の立場や役職に応じて「謹啓・謹言」を使い分けます。結語はたった2文字ですが、頭語と対応していないと形式的な誤りとして目に留まりやすいため、最後まで確認してください。

頭語に続けて記載するのが時候の挨拶です。季節に応じた挨拶に、相手の健康を気遣う文言と、企業の繁栄を讃える文言を添えます。

より改まった文面にする場合は、時候の挨拶を入れておくとよいでしょう。文面のトーンや形式によっては省略して構いません。

ポイントは、季節に合わせることです。季節ごとに代表的な時候の挨拶が存在していますが、多くは旧暦に基づいているため、現代の実際の季節や気候とはマッチしないケースもあります。春分や初秋など特定の時期にしか使用できない文言や、暑さ寒さ、花など植物に関わる文言は、実際の季節・時期や体感などとのミスマッチが出ないよう注意してください。

月別の書き出しと結びの例文は、弊社が運営する代筆ドットコムの時候の挨拶一覧にまとめています。

CXOレターの例文|新規開拓と既存顧客フォロー

CXOレターの例文を、新規開拓のケースと既存顧客や面談済みのケースの2つに分けて紹介します。

そのままテンプレートとして使えますが、頭語・時候の挨拶・結語といった形式部分だけを型として残し、中身はリサーチした企業情報をもとに書き換えてください。どの企業宛でも通用する文章や、自社商品の売り込みに終始した表現は、その相手のために書かれた手紙だと伝わりにくくなります。

例文1:新規開拓のケース

拝啓

新春の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
一面識もないままの突然のお手紙、大変申し訳ございません。
わたくし、〇〇株式会社〇〇部、〇〇〇〇と申します。

先日、貴社の業績発表の際に触れられた新規Web事業の立ち上げについて拝読いたしました。立ち上げ期には顧客データの整備に課題が生じやすいと考え、その一助になればとお手紙を差し上げた次第です。

弊社では、Webマーケティングひいてはデジタルマーケティングに活用・応用可能な顧客管理システム等を開発・販売いたしております。

弊社のシステムは、導入企業に必要な機能をカスタマイズし最適化することで、コストカットと効率向上との両立の実現が可能でございます。

直近では、同じくWeb事業を立ち上げられた〇〇業界の企業様で、顧客データの一元化により運用工数を約2割削減された事例がございます。

つきましては、弊社のシステムをご紹介する機会をいただけないでしょうか。

○月○日○○時頃、わたくしの方から改めましてご連絡差し上げます。
その際、ご商談の可否についてご回答いただけますと幸いです。

また、弊社商品に関して、ご質問等がございましたら何なりとお聞かせください。

お忙しい中、大変恐縮ではございますが、ご検討いただけますと幸いです。

敬具

例文2:面談済み・既存顧客フォローのケース

拝啓

時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
先日はお忙しい中、貴重なお時間を頂戴し誠にありがとうございました。
株式会社〇〇、〇〇〇〇でございます。

ご質問いただいておりました〇〇につきまして、社内で確認したところ対応可能との回答を得ましたので、ご報告を兼ねてお手紙を差し上げました。

面談の際、〇〇の運用が属人化しており、担当者が変わるたびに引き継ぎに時間がかかるとお話しくださいました。ご検討を進めるうえでも、この点が判断材料になるかと存じます。

弊社では、この引き継ぎの工数そのものを減らす仕組みをご提供しております。現在の運用を大きく変えずに導入いただける点も、あわせてご説明できればと考えております。

同じ〇〇業界で従業員規模の近い企業様では、引き継ぎにかかる時間を約3割削減されました。

つきましては、貴社のご要望に沿ったプランとお見積もりをご用意のうえ、あらためて30分ほどお時間をいただけないでしょうか。

〇月〇日〇〇時頃、わたくしからご連絡差し上げます。その際に日程のご相談をさせていただければ幸いです。

お忙しい中とは存じますが、何卒宜しくお願い申し上げます。

敬具

※例文2は、面談済みでまだ取引のない相手にも使える書き出しにしています。すでにお取引のある既存顧客へ送る場合は、2行目を「平素は格別のご愛顧を賜り、厚くお礼申し上げます。」に差し替えてください。

役職別に書き分けるポイント

同じ商材でも、相手の役職によって関心のある論点は変わります。役職名だけで決めず、その人が関心を持っていると考えられる指標に合わせて論点を選びます。

前述の3点のうち、表の左2列がWhy You、右2列がWhy Nowを決める材料になります。

送付先 想定される関心指標の例 書き出しで触れる出来事 送る時期の目安
経営層(代表・取締役) 売上・利益・企業価値 決算発表、中期経営計画、新規事業への参入 発表の直後
人事責任者 採用数・定着率・人件費 採用計画の公表、組織改編、新卒入社 入社や異動が集中する時期
情報システム・DX責任者 システムの稼働状況・移行の進捗 システム更改の公表、DX方針の発表 予算策定の検討が始まる時期
経理・財務責任者 締めにかかる日数・処理コスト 制度改正、決算期の変更 決算期や制度改正の前
マーケティング責任者 リード数・獲得単価 新製品の発表、展示会への出展 期初の施策検討時期

※一般的な役割分担をもとにした例です。実際にどの指標を重視しているかは企業や組織体制によって異なるため、公開情報で確認できる範囲とあわせて判断してください。

時期を合わせるだけで反応が変わることもあります。同じく弊社のYouTube「手紙営業チャンネル」で紹介している事例では、新入社員向けの側面を持つ福利厚生サービスの案内を、人事部門がその課題を最も意識する春に合わせて送付しました。人事部長を氏名まで特定したうえで900通を送り、30件の相談につながっています(アポ獲得率3.3%)。手紙DMでは反応率・反響率と呼ばれることもある指標ですが、本記事では前述のアポ獲得率の目安と同じ基準でそろえています。

もう一つの判断軸が、商材が現場の実務に直結するものなら、あえて役員ではなく現場の部門責任者を狙うという選び方です。経理システムや勤怠管理のように、日々の不便を実感している人のほうが提案への反応が鋭いケースは少なくありません。

反応率を高めるポイント|封筒・文字・送る間隔

開封されやすくするための封筒や切手の選び方を示すロボット手書きの封筒

ここからは、封筒や切手、文字といった見た目の工夫を扱います。これらは、ここまで見てきた「誰に送るか」「何を書くか」とは位置づけが異なります。いずれも開封前の印象に関わる要素です。

封筒は社名の印字がないものを選ぶ

多くの企業には社用封筒がありますが、CXOレターでは使わないことをおすすめします。

社名が印字された封筒は、開封前に営業の案内物と判断されることがあります。茶封筒も、請求書や一斉送付の案内に使われることが多い形式です。選ぶなら、白封筒や和封筒、少し厚みのある上質紙の封筒。ただし奇抜すぎると逆効果なので、シンプルで清潔感のあるものにします。本人に読んでほしい内容なら「親展」を添える方法もありますが、むやみに付けず本当に本人宛てのときだけにとどめます。

封筒の紙質にこだわる理由は、封筒が受け取った人にとって開封する前に手で触れる要素だからです。中身を読む前に目や手に入る情報としては、差出人の名前、宛名の書き方、切手、封筒のサイズや親展表記、そして紙の質感があります。紙質は、そのうちの一つです。

弊社が便箋と封筒に越前和紙を使っているのも、この開封前の印象を意識してのことです。越前和紙は福井県越前市で古くから作られてきた和紙で、岐阜の美濃和紙、高知の土佐和紙と並ぶ日本三大和紙のひとつとされています。一般的な事務用の封筒とは、繊維の質感がはっきり異なります。弊社では、この違いを重視して採用しています。

宛名の書き方には、相手の役職を問わず共通のマナーがあります。詳しくは封筒の宛名の書き方とマナーをご確認ください。

切手は1枚ずつ貼る

切手で重要なのは、デザインの前に「切手が貼ってあること」そのものです。料金別納・料金後納の表示は一斉送付の郵便物にも使われます。1枚ずつ切手を貼ることで、個別に送付した手紙であることが形の上で分かります。

そのうえで、記念切手や季節感のある切手を選ぶと、個別に選んだことが視覚的に伝わりやすくなります。企業の所在地や事業内容にちなんだものが見つかれば、それを選ぶのもよいでしょう。ただし選ぶ範囲は、相手企業が公開している情報にとどめてください。

切手そのものに気づかれなくても損はしません。料金別納の表示がないだけで、一斉送付の郵便物とは見た目が変わります。

宛名と文面は手書きにする

CXOレターでは、宛名や文面に手書きを取り入れる方法があります。弊社では、この手書きの形を推奨しています。印刷された文面は、ほかの企業にも同じものを送っていると受け取られることがあるためです。

見た目の違いとしては、印刷方式・プリンター・用紙によって差はあるものの、プリンター出力の文字には、人が書いた文字に見られる筆圧の濃淡や線の終わりのかすれが出にくい傾向があります。

実際、弊社をご利用いただいたM&A企業様には、送付先から「普段は付き合いのない会社の郵送物は中身を見ないで捨てているけれど、これだけ達筆で宛名を書いてもらったら読む気になる」という反応が届いています。

とはいえ、便箋まですべて手書きにするか、封筒だけ手書きにするかは、通数と予算で選び分けて構いません。手書きの風合いを保ったまま通数をこなす方法は、後述の代行サービスの費用相場で解説します。

開封率や反応率を上げる工夫全般は、DMの開封率・反応率を上げる方法にまとめています。

縦書き・筆記具の選び方

封を開けてもらえたら、次は最後まで読んでもらう段階です。弊社では、宛名も文面も縦書きで作成することを推奨しています。縦書きは日本語に適しているため文字から文字への流れを生み出しやすく、日本の手紙の形式としても一般的です。決裁者が日々目にする横書きの資料やメールとも見た目が変わります。

筆記具は、筆ペン・万年筆・ブルーブラック系のインクが落ち着いた印象を与えやすく、ビジネスの手紙になじみます。ただし、読みづらい筆跡や過度に装飾的な文字は逆効果です。

字は上手さよりも丁寧さを優先してください。多少自信がなくても、一文字ずつ丁寧に書かれた手紙のほうが、印刷物より手をかけたことは伝わります。

なお、商品名や社名で横文字を多用せざるをえない場合は、無理に縦書きにこだわる必要はありません。

用件は1つ、文面は短く

CXOレターに盛り込む用件やお願いは、1通につき1つにとどめておきましょう。1通で、まったく異なる複数の商品を売り込むことは避けなければいけません。面談を望むのであれば、面談のみのお願いにとどめておきます。

それ以外に、たとえばイベントへの参加を促したり、「弊社の商品に興味を持ちそうな企業様を紹介してください」と送付先とは異なる企業との仲介役をお願いしたりすると、要点が分散しやすくなります。複数の用件を盛り込むことは控えましょう。

用件を1つに絞れば、文面は自然と短くなります。相手の課題、提案の理由、次にお願いしたいことが一目で分かる長さに整理してください。自社や自社商品のアピールに力が入って文量が増えるほど、直接会ってみたいとは思ってもらいづらくなります。

熱意や意気込みは、1つの用件に込めるほうが伝わります。

一度この形で書けたら、その後は少しずつ修正しながら活用できます。企業独自のフォーマットとして最初に仕上げておくと、2通目以降の作成が楽になります。

同じ相手に送る間隔|弊社では3ヶ月程度を推奨

反応がないからといって、同じ相手に短い間隔で送り続けるのはおすすめしません。弊社のYouTube「手紙営業チャンネル」では、手書きの手紙であっても、受け取る頻度が3ヶ月に1回を超えると反応が鈍る傾向が見られると解説しています。これは弊社が支援の現場で得ている経験則で、統計的に確認されたものではありません。

同じ差出人から短期間に何度も届けば、受け取る側にとっては継続的な一斉送付と区別がつきにくくなります。

同じ企業に再度アプローチするなら、弊社では3ヶ月程度の間隔を推奨しています。その間はフォローコールや別の接点で関係を保つほうが有効です。なお、この頻度はあくまで目安で、相手の役職やこれまでの接触状況によって適切な間隔は変わります。

代行サービスの費用相場|完全手書き・ロボット代筆・印刷DMの料金比較

送付企業のリストと文面データを用意すると、代行サービスがそれをもとにCXOレターを作成し送付します。封筒・便箋の手配から宛名書き、封入、切手貼り、発送までをまとめて任せられるため、社内の手間と時間を大きく減らせます。

ただし、代行と一口に言っても手法はいくつかあり、1通あたりの単価と対応できる通数は大きく違います。

4つの外注方法と1通あたりの単価

外注する場合の選択肢は、大きく4つあります。筆記の方法・単価・対応できる通数のどれを優先するかで、選ぶべき手法が変わります。

手法 文字 1通あたりの費用感 向いている通数 納期の目安
完全手書き(人による直筆) 執筆者の直筆 1,000円〜 小ロット中心(数十〜100通程度) 2週間〜
ロボットによるペン字代筆 ペンで1文字ずつ書く手書き文字 300円台(税込330円)〜 小ロット〜数千通規模 5営業日〜
手書き風印刷(封筒のみ手書き) 手書き文字をコピー印刷 400円〜 小ロット〜大量印刷まで 1週間〜
印刷DM プリンター出力 200円〜 大量送付向け 3営業日〜

※完全手書き・手書き風印刷・印刷DMは、弊社が確認した各社の公開料金をもとにした相場の目安です(2026年9月時点)。ロボットによるペン字代筆は弊社「ロボットレター」の料金で、プランや通数によって変わります。いずれも税込表記のないものは税抜です。向いている通数と納期は、依頼先の体制や繁忙状況によって変わります。

完全手書きは人が直接書く唯一の方法である一方、1通1,000円を超えるため、数百社から数千社を対象にした検証には向きません。印刷DMは1通あたりの単価が最も安く、同じ内容を大量に送りたい場合に適しています。

ロボットによるペン字代筆は、その中間を埋める選択肢です。ただし直筆そのものではなく、通数が少ない場合は1通あたりの単価が上がります。人による直筆にこだわり、数十通だけ送りたいのであれば、完全手書きのほうが適しています。

見積もりを比べるときの4つのチェック項目

見積もりを比べるときは、通単価だけを見ないでください。通単価に何が含まれるか、初期費用、最小ロット、オプションの4点で総額は大きく変わります。

  • 通単価に、封筒・便箋代のほか切手代・封入作業・発送作業が含まれているか
  • 通単価とは別に初期費用がかかるか
  • 最小ロットは何通からか。分割して発送できるか
  • リストの精査や、チラシ・名刺などの同封にオプション費用がかかるか

とくに切手代と封入作業は、含まれているかどうかで総額が変わります。安く見えた見積もりが、作業費を足すと逆転するケースは珍しくありません。

弊社のロボットレターの場合、通単価に作成料金・ロボット手書き料金・封入作業・切手代・発送作業料金を含みます。通単価とは別に初期費用がかかります。便箋と封筒の両方をロボットが手書きするスタンダードプランは100通から承っており、1通あたりの料金は通数で変わります。

通数 1通あたりの料金
100〜299通 830円(税込913円)
300通〜 630円(税込693円)
1,200通〜 530円(税込583円)
3,000通〜 480円(税込528円)
6,000通〜 430円(税込473円)
12,000通〜 410円(税込451円)
36,000通〜 380円(税込418円)

※弊社「ロボットレター」スタンダードプランの通常料金です(2026年9月1日時点)。時期により、少量ロットを対象とした割引を実施している場合があります。

CXOレターのように送付先を絞る施策は数百通に収まることが多いため、1通600〜800円台を見込んでおくと予算を組みやすくなります。便箋をモノクロ印刷にして封筒だけを手書きにするライトプランなら、1通300円(税込330円)からです。

架電できる体制が社内にある場合の外注範囲

社内に電話をかけられる体制があるなら、手紙の作成と発送だけを切り出して外注する方法が選択肢の一つになります。

一括代行はリスト作成から架電までを任せられる一方、月額の固定費が発生することが多く、自社にすでに架電できる人がいる場合は業務が重複します。入口だけを外注して会話は自社で持てば、商談の情報も社内に蓄積されます。逆に、リスト作成や架電のノウハウが社内になければ、リスト作成から架電までを一括で委託する形も選択肢になります。

切り分けの目安は、架電できる人員が社内に何人いるかです。手紙の通数がその人数で追いきれる範囲に収まるなら、作成と発送だけの外注で足ります。

逆に、社内に架電できる人がいない場合は、手紙の作成・発送に加えてフォローコールまで含めた形で相談する方法もあります。

CXOレターに関するよくある質問

代表取締役宛に送ってはいけないのですか?

避けるべきというより、相手によって効き方が変わります。

弊社が営業支援のなかで見ている限り、大企業の代表取締役宛には、M&A仲介をはじめとする各社から手書きの手紙が届いており、手紙が届くこと自体では差がつきにくくなっています。一方、中小企業の代表取締役は決裁権と現場の状況の両方を把握していることが多く、有効に働くことがあります。判断の材料になるのは役職名だけではなく、自社の商材に関わる領域をその人物が管轄しているかどうかです。

送ると決めた場合の宛名の書き方は、社長・代表取締役宛の封筒の宛名の書き方でご確認ください。

1回送って反応がなければ、その企業は脈なしと判断してよいですか?

フォローコールまで行って、はじめて1セットです。送付だけで判断しないでください。

手紙は開封や到着を直接計測しにくいため、反応がないことと届いていないことを区別できません。架電しても手応えがない場合は、企業を切るのではなく送付先の人物を見直す余地があります。管轄領域が自社の商材と合っていなかった可能性があるためです。再送する場合は3ヶ月程度の間隔を空けてください。

手書きと印刷では、受け取った側の反応にどのくらい差がありますか?

弊社が支援した事例では、印刷DMと手書きDMを比較したところ、手書きDMのほうが約2.5倍の反応率になったケースがあります。ただし、これは特定の案件での結果です。対象件数・集計期間・送付先の条件・「反応」の定義は案件ごとに異なるため、手書きDM全般の効果を示す数値ではありません。

手書きにする場合の考え方は宛名と文面は手書きにするで解説しています。

ロボットで代筆した文字は、受け取った側に機械だと気づかれませんか?

ペン先と本物のインクを使って1文字ずつ書くため、プリンターで出力した文字とは見え方が異なります。

筆跡は複数のタイプから選べるので、送る相手や商材のイメージに合わせることも可能です。ただし、1点ずつ書いている以上、インクの質感やかすれ具合には仕上がりの個体差が出るため、実物をご確認いただくのが確実です。

最小ロットと納期はどれくらいですか?

弊社のロボットレターの場合、便箋と封筒の両方をロボット手書きにするプランは100通から、封筒だけを手書きにするプランは1回の送付あたり300通から承っています。発送は、原稿とリストをお渡しいただいてから最短5営業日です(2026年9月時点)。

料金の目安は代行サービスの費用相場、比べるときの着眼点は見積もりを比べるときの4つのチェック項目をご覧ください。

まとめ|CXOレターの成否を分ける3つのポイント

決裁者を宛先に指定して送付できるCXOレター。デジタル中心の接点だけでは決裁者につながらないというご相談は、弊社にも多く寄せられています。

最後に、成果を左右する3点を整理しておきます。

  1. 誰に送るかで結果が変わる。役職の高さで決めず、自社の商材に関わる領域を管轄している責任者も候補として検討する
  2. その相手にしか書けない内容かが読まれやすさに関わる。管轄領域といま起きている出来事に紐づけて、Why You/Why Nowを1文目に置く
  3. 見た目は開封前の印象、通数は制約。封筒や筆記は弊社が推奨する形に整えたうえで、1通ずつ丁寧に作るほど送れる数は減っていく

手間がかかる点がCXOレターのデメリットですが、この手間は手紙代行サービスの利用で減らせます。

まずは、自社にとって最もインパクトの大きい決裁者を10人挙げ、その一人ひとりについてWhy You/Why Nowを書き出すところから始めてみてください。

手書きDMの代行なら「ロボットレター」|1通300円台から

越前和紙の便箋と封筒に、ロボットがペンで1文字ずつ手書きする。この仕組みによって、直筆に近い風合いを保ったまま、まとまった通数の発送を可能にしています。弊社では、この仕組みを「ロボットレター」として提供しています。

リストと文面をご用意いただければ、宛名書きから封入、切手貼り、発送までを一括して承ります。封筒だけを手書きにするプランは1通300円台(税込330円)から、便箋も手書きにするプランは380円(税込418円)から。いずれも最短5営業日での発送に対応しています(2026年9月時点)。

書道師範の美文字から、女性風の可愛い文字、
男性風の崩し文字など、ターゲットに合わせてカスタムできる

手書きDMは反応率が違います!

弊社をご利用頂いた支援先の企業様より送付後の反応率・反響率について情報共有を頂いております。リピートユーザー様が多い理由も納得の貴重な活用事例が詰まった資料をぜひご覧ください。