DM(ダイレクトメール)が活用できる業界とは?効果を発揮しやすい業界を解説

ダイレクトメールは、見込み顧客に対して直接マーケティングを行う手段の代表格です。

しかし、ダイレクトメールは必ずしも万能の存在ではなく、ダイレクトメールが有効な業界もあれば、ダイレクトメール以上に有効なマーケティング手段が存在する業界もあります。

今回は、ダイレクトメールをマーケティングに有効活用できる業界と活用が難しい業界の何が違うのかについて説明します。

単価や利益の大きい商品を取り扱う業界のダイレクトメールは効果抜群

自動車や不動産など、単価や利益が大きい商品を取り扱う上で、ダイレクトメールの効果は極めて大きいものとなります。

ダイレクトメールの発送にかかるコストを利益が大きく上回ることが確実であるというのが理由として挙げられますが、

消費者にとっては大きな買い物であるために、ダイレクトメールを見て購入を考える時間ができるという効果もあります。

いきなり購入を決めるのではなく、様々な資料を比較するため、ダイレクトメールは参考資料の一つとして活用が可能です。

自動車や不動産以外では、コンサルティングのようなピンポイントで必要になる商品やサービスがこの類型に該当します。

他にも、単価こそ高いわけではないものの継続しての購入を見込める化粧品やコンタクトレンズなどの商品も、

長い目で見ればダイレクトメールのコストを利益が上回るためにこの類型に該当すると言えますね。

逆に、単価が安く、継続しての購入が見込めない商品、例えば食品や各種雑貨などは、ダイレクトメールに不向きな商品である場合が多いので注意しておきましょう。

見極めるポイントとしては、一度購入契約を結んだ後、同一の販売元・製造元や小売店から長い間継続して購入するかどうかです。

顧客との関係性が重要な業界は、ダイレクトメールで信頼感を築き上げる

顧客との関係性を構築し、それによって長期的に利益を得るサービスを取り扱う場合は、ダイレクトメールが関係構築の端緒となります。

先述したコンサルティングもそのひとつですが、それ以外にもエステや美容院、クリニック、飲食店などの接客業はこの類型に合致します。

これらの業界は消費者一人ひとりが「お得意様」であり、こうした顧客が常連として来店することが店舗の継続的な収入に繋がるのです。

顧客の心をダイレクトメールで繋ぎ止める方策としてよく用いられるのは誕生日やクリスマス等の記念日に合わせてクーポンや特典が付いたダイレクトメールを送ることです。

特に誕生日のダイレクトメールは、顧客に対して大切なお得意様であるという意思を伝える上で最も有効な施策です。

こうした施策によって顧客との接触をまめに行うことでしっかりと太客を確保することが、この類型の業界においては生命線となります。

もちろん、顧客との関係性を築く業界は接客業に限りません。

例えば、課題の添削を繰り返して学習を行う通信講座はこの類型です。質の高い教育が受けられる、的確な添削を行ってくれるという信頼感を得るために、ダイレクトメールによる宣伝を活かしています。

同様に、予備校や学習塾といった民間の教育機関もダイレクトメールで顧客との関係の構築が効果的な業界の一つに数えられます。

また、クレジットカード会社や航空会社等で、VIP会員制度を儲けている場合も、ダイレクトメールで顧客との接触を頻繁に取ることが望ましいですね。

オンラインが主体となる業界独特のダイレクトメール活用術

BTOパソコンやソフトウェア、ECサイトなどを取り扱う企業はオンラインでの活動を主軸としています。

この業界の特徴は、なんと言っても買い物に時間がかからないことです。

通常の店舗であれば、ダイレクトメールを受け取ってからお店まで足を運んで買い物をして帰る、という段階を踏みますが、

オンラインの場合は手元のスマートフォンやパソコン、タブレット端末でアクセスするだけで買い物が可能となります。

そのため、時間を決めたタイムセールなどを打ち出しやすいことが強みです。

こうしたタイムセールを開催する際には、ダイレクトメールで告知することでしっかりと集客につなげることが重要となります。

また、競合他社との差をつけたい場合には、紙媒体でのダイレクトメールが有効です。

紙媒体のダイレクトメールには、オンラインショップで使用可能なクーポンコード等を併記することで、確実に太客を呼び込むことができます。

Eメールのみの場合、使用しているドメインがメールサーバ側でスパムメールに分類されてきちんと顧客に届かないリスクがついて回るため、これを回避する上でも紙媒体でのダイレクトメールが重要な意味を持つのです。

また、わざわざ紙媒体でもダイレクトメールを出すことで、顧客を大事にする姿勢をアピールすることにつながります。

商品の単価や粗利が低い小売店でダイレクトメールが活きる場面とは

ダイレクトメールを出すコストに利益が見合わない事例のひとつとして、商品の単価や粗利が低い商品を取り扱う業界があります。

こうした業界が取り扱う商品は、他のお店でも替えが効くため顧客の定着率が低いこと、ダイレクトメールで顧客を呼び込むことに成功しても収支が赤字になることから、ダイレクトメールの効果が薄いのです。

しかし、そんな業界でも例外的にダイレクトメールが活かせる局面は存在します。

代表的なのは、小売店や商品を買うことでポイントが貯まる等の施策を打ち出しているケースです。

例えば、スーパーでポイントカードを発行している場合、ポイントを貯めて特典を手に入れるために、顧客がそのスーパーを利用し続けることになります。

こうした顧客の定着率を上げるために、ダイレクトメールでボーナスポイントを獲得できるなどの特典をつけたり、セールやポイント増加等のイベントをダイレクトメールで告知すると、特典目当ての顧客がそのスーパーを訪れる確率が高まります。

ポイントカードで得た顧客との関係性を築いて、その店舗に訪れやすくするためのダイレクトメールは、長期的に見れば費用対効果があるのです。

また、小売店を新装開店した際に、その周辺地域に絞ってダイレクトメールを送付することも有効です。

オープニングセール等を行うことで、顧客も足を運びやすくなります。送付する対象を絞っていますから、ダイレクトメールを送付するコストも低く抑えられて、費用対効果も良好です。

このダイレクトメールで近隣の住民を見込み顧客として、今後その店舗を継続的に利用してくれることを期待したダイレクトメールの使い方と言えます。

このように、単価や粗利が低い商品を取り扱う小売店でも、場合によってはダイレクトメールが活用できます。

店舗で打ち出している施策から、ダイレクトメールが活用可能かどうか、費用対効果があるかどうかをしっかりと見極めることが重要です。

高単価の商品を取り扱っていてもダイレクトメールが活用できない場合があることに注意

高単価の商品を取り扱っていても、場合によってはダイレクトメールの効果が現れにくいことがあります。

それは、「お試しができない」場合です。

例えば、高級家具などは、試しに顧客の家に置いて使ってもらう、

ということがしにくいですから、ダイレクトメールで広告を打ち出したところで顧客に購入する意思を持たせることが難しくなります。

そこで、ダイレクトメールをマーケティング戦略に組み込むために、「試しに使ってもらう」という機会をイベント等で作り、それを案内するダイレクトメールを送るという施策を打ち出す必要があります。

先の高級家具の例で言えば、高級家具を集めたモデルルームを作り、その見学会を開くといった施策が考えられますね!

もちろん、モデルルームを作って見学会を行うのにもコストはかかりますから、

イベントとダイレクトメールの送付でかかるコストと、実際に高級家具を買ってもらった際の利益を比較して、費用対効果が得られるかどうかを見極めることが重要です。

ダイレクトメールを活用可能かどうかは「費用対効果」で判断するべし

ダイレクトメールがマーケティングに活用可能かどうかの判断材料は、ひとえに「費用対効果」です。

ダイレクトメールの送付にかかるコストが、ダイレクトメールを送付したことで得られる利益と釣り合いが取れるかどうかを見極めることが重要となります。

ダイレクトメールの送付を検討する場合、まずは顧客が継続的に商品や店舗を利用するかどうか、商品の単価や粗利はダイレクトメール送付のコストを回収できるかを分析しましょう。